NUKEGARA 旧原泉第三製茶工場

(原泉アートデイズ / 静岡県掛川市原泉地区黒俣 / 2019) PET板、PETボトル、茶畑の映像、お茶農家さんのインタビュー
山合いの集落で一際目立つこの建物は以前稼働していたお茶工場である。当時は集落のいたる所にお茶畑があったが、お茶の消費量が減った現在は山上の茶畑のみだ。

ペットボトルの台頭によりお茶の生産量は年々減少し、お茶農家は存亡の危 機にさらされている。この場所も十数年前までお茶工場として稼働してい た。 お茶は産業でもあるが、日本の文化でもある。利便性が優先される昨今、文 化は意識的に守らないと後世に残すことは難しい。 のどかで美しい風景が広がるこの土地で日本の縮図を垣間見る。

並べられたペットボトルの上に、同じ材料であるペット板を使用してお茶に関わるものを型どった透明な抜け殻を配置した。そこに集落で唯一残るお茶畑の一日の風景が投影される。入り口にお茶農家さんのインタビューが上映され、現状を話す生産者の言葉を聞いてから会場に入るインスタレーションとして構築した。